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甲状腺(1)

日の出町すぎ病院 院長 (日本内分泌学会専門医)
名取 省一

意外と多い甲状腺疾患

甲状腺は、のどの気管の上に蝶々が羽を広げて乗っかっているような形の小さな臓器(上下方向3~5cm、重量15~20g)で、甲状腺ホルモンを分泌しています。甲状腺ホルモンは全身の組織や臓器の機能を調節する重要なホルモンです。甲状腺ホルモンが多すぎる状態(甲状腺機能亢進症)では、全身の代謝が過剰に高まる結果としていくら食べても体重が減ったり、汗が過剰に出たり、心臓の働きが活発となるため「動悸」、「息切れ」が出現します。また、腸の働きが活発となるため、「軟便や下痢」が出現することもありますし、精神的にもイライラしがちです。身体が小刻みに振るえる症状(振戦)も特徴的です。逆に甲状腺ホルモンが足りない状態(甲状腺機能低下症)では、上記と逆の症状(「ぼうーっとした感じ」、「脈が遅くなる」、「便秘」、「はれぼったい乾燥した皮膚」など)が出現します。甲状腺機能亢進症の原因疾患の多くが「バセドウ病」で、一方、甲状腺機能低下症の典型的疾患が「橋本病」です。いずれも甲状腺に対する自己抗体ができる事で発症する自己免疫性疾患ですが、適正な治療を行えば上記のような不快な症状は概ね改善致します。甲状腺に異常があるかどうかは甲状腺ホルモンの血液検査と超音波エコー検査ではっきりさせることができます。

本邦における甲状腺疾患患者数は500~700万人と意外に多くて、そのうち治療が必要な患者さんは推定で約240万人と言われています。しかしながら実際には約45万人しか治療を受けておらず、未治療患者さんが多く存在しています。また、なぜか女性に多いことも分かっています。バセドウ病では女性は男性の約4倍、橋本病では女性は男性の実に20倍弱と圧倒的に女性に多い疾患です。上記のような症状がある方は是非一度甲状腺の検査を受けてみてください。

2017年9月27日

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